コラム

ちょっとためになる話 なぜ、コレステロール低下薬はむやみに飲んではいけないのか?

書籍「図解 成功する人は食べるものが違う!」(著者:姫野 智美 著)より

コレステロールを薬で下げたらうつ病に!?

コレステロール値が高く、医師から高脂血症(現・脂質異常症)を指摘されると、コレステロール低下薬が処方されることが少なくありません。
しかし、私はこの薬を安易に服用するのは危険だと考えています。
なぜなら、コレステロール低下剤の「スタチン」という薬には重大な副作用を起こす可能性があるのです。その副作用とは、横紋筋融解症、ミオパシー(広範な筋肉痛・筋肉圧痛)、肝機能障害、黄疸、血小板減少など。とくに、横紋筋融解症は、筋肉が溶け出して体に力が入らなくなってしまう非常に怖い副作用です。
また、最近はうつ病との関連性もクローズアップされています。低コレステロールとうつ病の因果関係を示すデータは海外で数多く発表されていますが、このところ日本でもよく見かけます。実際、私のクリニックにいらっしゃるうつ病の患者さんも、血液検査をしてみると、総コレステロールがかなり低い値を示しているケースが多く見受けられます。
ですから、医師から家族性高脂血症を指摘されている場合を除き、コレステロール低下薬はむやみに飲まないほうがいいでしょう。
とくに、更年期以降の女性は、薬でコレステロール値を落とす必要はありません。女性の場合、更年期を過ぎるとホルモンバランスの関係でコレステロール値がだんだん高くなってくるのですが、これは自然な体の変化です。海外では「女性にコレステロール低下薬は不要」という説が一般的であり、高脂血症や糖尿病であろうともコレステロール低下薬が簡単に処方されることはありません。
みなさん、ぜひこれらのことを頭の片隅に置いておき、医師からコレステロール低下薬を勧められたときは、よく相談してからにしてください。

平成28年8月16日

ちょっとためになる話 マイナス思考のときは肉を食べてみよう

書籍「図解 成功する人は食べるものが違う!」(著者:姫野 智美 著)より

グルグル思考でマイナス・スパイラルに……。
そんなときはガツンと肉を食べてみよう


◎たんぱく質が不足すると脳の反応が遅くなる
仕事中、どうも今日は頭がうまく働かないなと感じることはないでしょうか。
書類に向かっても文面がなかなか頭に入ってこなかったり、メールを打つのにいつもより時間がかかってしまったり……。
こうした場合も、脳の栄養源であるたんぱく質の不足が原因である可能性があります。
たんぱく質が不足すると、神経伝達物質の産生が減り、神経細胞ネットワークにおける情報伝達が鈍化してしまいます。
その結果、脳の反応が遅くなり、論理的な思考能力や問題処理能力が落ちてしまうのです。
また、このように脳の反応が遅くなると、物事を考える際に「ああでもない、こうでもない」と悩んでしまい、判断や決断をつけにくくなります。さらに、嫌な記憶やマイナスの考えが何度も同じコースを巡ってしまうことも少なくありません。
頭の切り替えができないため、グルグル思考のバッド・スパイラルを抜け出せなくなってしまうわけです。
その他にも、たんぱく質が不足すると、わけもなく不安になったり、小さなことで落ち込んだりすることもあります。
なお、たんぱく質不足解消のためには、肉や魚、チーズ、卵などの動物性たんぱく質をしっかり食べることが大切。
なかでも、肉には人体に欠かせない必須アミノ酸がすべて含まれているうえ、神経細胞の働きをよくするビタミンB群も豊富に含まれています。
ですから、「どうも今日は仕事の能率が上がらない」「なぜか嫌なことばかりをグルグルと考えてしまう」という日は、ガツンと肉を食べてみてはいかがでしょう。
きっと、脳の反応や切り替えが速くなって、マイナス・スパイラルの不調から抜け出せることができるのではないでしょうか。


「粗食のほうがいい」なんていってるとかえって命を縮めかねない!

◎粗食をしていた頃の日本人は短命だった!

「昔ながらの粗食」は無条件に健康にいいと思っている人が少なくありません。粗食のほうが長生きするなんていっている人もいます。
でも、いったいどうして、みんなそんなに食事を粗末にしたがるのでしょう。私には理由がわかりません。
だってみなさん、粗食をしていた頃の日本人の平均寿命をご存じですか?
明治時代の平均寿命は37歳、大正時代は40歳だったとされています。いまでは信じられないくらい短命ですよね。
そして、この信じられないくらい短命だった寿命が倍以上に延びたのは、何を隠そう、戦後、食生活が欧米化したおかげなのです。
とくに高度成長期、高脂肪・高カロリーの肉や乳製品をふんだんに摂るようになって、日本人の寿命は飛躍的に延びました。
おそらく、たんぱく質をしっかり摂り、コレステロールなどの脂肪を十分に摂るようになったために、体が丈夫になり、免疫力が大きく向上したのでしょう。
私は、「粗食のほうが健康にいい」なんていっていると、かえって寿命を縮めることになるのではないかと思います。
「一汁一菜」といわれるように、典型的な粗食はごはんに多少の副菜を加えたスタイルでしょうから、糖質に偏った栄養摂取になるのは明白です。糖質に偏った食事がさまざまな弊害をもたらすのはこれまで述べてきた通りです。
なかには粗食をすすめている医療従事者もいますが、十分な科学的データがそろっているわけではありません。
ラットなどの動物においては「カロリー制限食にすると寿命が延びる」という研究もありますが、それがそのまま人間に当てはまるとは限りません。
どうしても粗食がいいというなら無理には止めません。でも、長く生きていたいなら、おいしいものを食べることをおすすめします。

平成28年4月14日

ちょっとためになる話 心の不調とたんぱく質の関係

折れない心、負けない心は、たんぱく質でつくられるものだった!

◎心の不調は「脳の栄養不足」が原因!
私は、「心はたんぱく質でつくられている」と考えています。 そもそも人間の体はたんぱく質ベースでできているのですが、それは体だけでなく、心にも当てはまると思っているのです。
そもそも、脳の乾燥重量の40%はたんぱく質ですし、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質もたんぱく質でできています。
そして、たんぱく質からつくられた神経伝達物質が脳内でさかんにやりとりされるからこそ、私たちは「うれしい」「気持ちいい」「よし、やるぞ!」といった心の動きをつくり出すことができているわけです。
逆に、たんぱく質不足によって神経伝達物質の生産量が少なくなると、いろいろな問題が発生します。
セロトニンが欠乏するとうつ病が発生しやすくなるのは有名な話ですが、神経伝達物質が減ると、心のさまざまな動きが低調になってしまうのです。
つまり、たんぱく質は、脳にもっとも必要な栄養素であり、絶対に欠かすことのできない“心の原料”なのです。
また、たんぱく質を原料として神経伝達物質をつくったり働かせたりするには、各種のビタミンやミネラルの作用も不可欠になります。
とにかく、心の健康状態は、こうした「脳の栄養」をいかに摂っているかで非常に大きく変わるのです。
心が不調なのは脳の栄養不足が原因なのであり、心の好調をキープしたいなら、脳の栄養を正しく摂ればいい。
壁やストレスにぶち当たっても折れない心、負けない心をつくりたいなら、心の持ち方やストレス解消法などを研究する前に、まずは「たんぱく質やビタミン・ミネラルを摂る食事」を実践すべきでしょう。
糖質に偏った食生活を送っている現代人は、ついついたんぱく質やビタミン・ミネラルを不足させがちです。
脳が求めている栄養をしっかりチャージして、丈夫な心をつくっていくようにしてください。


ぐるぐる思考でマイナス・スパイラルに……。そんなときはガツンと肉を食べてみよう

◎たんぱく質が不足すると脳の反応が遅くなる

仕事中、どうも今日は頭がうまく働かないなと感じることはないでしょうか。
書類に向かっても文面がなかなか頭に入ってこなかったり、メールを打つのにいつもより時間がかかってしまったり…。
こうした場合も、脳の栄養源であるたんぱく質の不足が原因である可能性があります。
たんぱく質が不足すると、神経伝達物質の生産が減り、神経細胞ネットワークにおける情報伝達が鈍化してしまいます。
その結果、脳の反応が遅くなり、論理的な思考能力や問題処理能力が落ちてしまうのです。
また、このように脳の反応が遅くなると、物事を考える際に「ああでもない、こうでもない」と悩んでしまい、判断や決断をつけにくくなります。
さらに、嫌な記憶やマイナスの考えが何度も同じコースを巡ってしまうことも少なくありません。
頭の切り替えができないため、グルグル思考のバッド・スパイラルを抜け出せなくなってしまうわけです。
その他にも、たんぱく質が不足すると、わけもなく不安になったり、小さなことで落ち込んだりすることもあります。
なお、たんぱく質不足解消のためには、肉や魚、チーズ、卵などの動物性たんぱく質をしっかり食べることが大切。
なかでも、肉には人体に欠かせない必須アミノ酸がすべて含まれているうえ、神経細胞の働きをよくするビタミンB群も豊富に含まれています。
ですから、「どうも今日は仕事の能率が上がらない」「なぜか嫌なことばかりをグルグルと考えてしまう」という日は、ガツンと肉を食べてみてはいかがでしょう。
きっと、脳の反応や切り替えが速くなって、マイナス・スパイラルの不調から抜け出せることができるのではないでしょうか。


注意力が散漫で、いつもイライラ……。その原因は鉄の不足だった!

◎女性はもちろん、男性にも鉄不足が増えている
「目の前の仕事をがんばろうと思っても、気が散ってなかなか持続しない」「注意力が散漫で、ひとつのことに集中できない」「神経が過敏になっていて、些細なことが気になってしまう」……あなたはこんな状態に陥ってイライラしていることはありませんか?
もしそうなら、鉄の不足が原因かもしれません。
鉄不足の代表的症状といえば、貧血、寝起きの悪さ、動悸、息切れなどがありますが、冒頭のような心の症状も現れます。
鉄は神経伝達物質の合成に深く関わっているため、不足すると、注意力低下やイライラ、神経過敏を招きやすいのです。
また、鉄は月経とともに失われやすいため、女性特有の悩みだと思われがちですが、最近は男性にもかなり目立ってきています。
そして、私は、こうした鉄不足が増えてきている遠因には、やはり“お手軽糖質フード”に偏った食生活があるとにらんでいます。
なぜなら、おにぎりや菓子パンなどの“お手軽糖質フード”に頼る人が多くなったせいで、たんぱく質を摂取する機会が大幅に減っているからです。
鉄がもっとも多く含まれているのは、レバーや牛肉、魚介類、大豆食品といったたんぱく質。
そういったたんぱく質を摂り入れる機会が減れば、鉄が不足がちになるのも当然ということになります。
鉄不足が気になる方は、とにかくたんぱく質をしっかり摂ることを心がけるようにしてください。
また、サプリメントとしてヘム鉄を補給するといいでしょう。
よくお茶のタンニンや食物繊維は鉄の吸収を妨げるといわれますが、ヘム鉄で補給するのであれば問題ありません。
鉄は心と体をスムーズに動かすためになくてはならないミネラル。
さまざまな症状も、体内に鉄のストックができてくるとともに解消へ向かうはずです。

平成28年2月16日

ちょっとためになる話 むしろコレステロールは体に必要

書籍「まず白米をやめなさい!」(著者:溝口 徹 先生 著)より

糖化は糖化でも、もっとも恐ろしい糖化。
それは、コレステロールの糖化です。

コレステロールは、とかく生活習慣病と結びつけられ、悪者扱いされがちではないでしょうか。
しかし、コレステロールは、じつは、健康な体を維持するためになくてはならない物質です。
コレステロールは、多くのホルモンや、ビタミンD、代謝に欠かせない酵素など、体内で必要なさまざまな物質の材料になります。

そのコレステロールのおかげで、脳は脳脊髄液に浮くことができ、周囲の衝撃から守られているのです。
コレステロールが少なすぎると、細胞の形が維持できなくなってしまいます。
たとえば、コレステロール値が低い女性には、赤血球が破れやすいという共通点があります。要するにコレステロールが少なすぎて、赤血球の細胞膜がもろくなってしまっているのです。

また、「悪玉コレステロール」ともいわれる、LDLコレステロールは、その名前からか、「少なければ、少ないほどいい」というイメージが、根強いように思います。
ここで、LDLコレステロールというと、コレステロールそのもののように思われがちですが、厳密にいえば、コレステロールをたくさん含んだたんぱく質を、LDLコレステロールといいます。

生命維持に欠かせない重要な物質であるコレステロールは、LDLコレステロールに乗って全身に運ばれています。
また、コレステロールを運ぶと同時に、ビタミンAやビタミンEの運搬係りも果たしています。
LDLコレステロールは低いほどいいどころか、体を維持するために必要不可欠な物質なのです。

ところが、LDLコレステロールが「悪玉化」してしまうと、一転、体の毒素になってしまいます。
LDLコレステロールを悪玉化させてしまう要因の一つは「酸化」、そして、もう一つが「糖化」です。
白血球の一種であるマクロファージは、“酸化したLDLコレステロール”と“糖化したLDLコレステロール”を「悪玉」と認識し、食べてくれます。

LDLコレステロールを食べ、ため込んだマクロファージが、血管の壁に次々とこびりついてできたものが、動脈硬化です。
つまり、LDLコレステロールを体によいものとして保つためには、「酸化」と「糖化」を避けなければなりません。

LDLコレステロールの酸化は、激しい運動やストレス、喫煙などの習慣があると起こりやすくなります。
これらの習慣が、細胞を酸化させる活性酸素(フリーラジカル)という物質を生み、LDLコレステロールをサビつかせて、本来の役割を果たせなくなってしまうのです。
酸化を防ぐためには、ビタミンCやビタミンEなどの、抗酸化物質をとることが有効です。
しかし、いくら酸化に気をつけていても、悪玉化のもう一つの要因「糖化」を避けることはできません。
先ほど、LDLコレステロールとは、コレステロールがたくさんくっついたたんぱく質であるといいました。ということは、血糖値が高いほど、コレステロールの糖化も進みやすいことになります。
さらに悪いことに、糖化したLDLコレステロールは、前項でも述べたAGEsに変化し、これ自体が活性酸素をまき散らす源になってしまいます。

酸化を防ぐために抗酸化物質をとることは、もちろん有効です。
しかし、とにかく糖化を防がないことには、酸化も防ぎきれなくなってしまうということです。


脂質より糖質のとりすぎに気をつけるべき理由

酸化や糖化によって悪玉化しない限り、LDLコレステロールは体に必要であるということは、おわかりいただけたでしょうか。
その観点から考えると、総コレステロールの一般的な基準値にも、見直しが必要でしょう。事実、一般的な総コレステロールの基準値に照らし合わせると、「高め」と出る人のほうが、健康長寿であることもわかっているのです。

たとえば、総コレステロール値と、死亡の相対危険度を調べたある調査では、男女ともに総コレステロール値240〜280が、もっとも死亡危険度が低いと出ています。男性は280以上になると死亡危険度が跳ね上がるのですが、女性に至っては280以上でも、それほど死亡危険度は上がっていません。
一方、現在の日本の基準では、総コレステロール値は150〜199が「正常値」とされていますが、むしろ、その数値だと死亡危険度がより高くなっています。
さらに、循環器系疾患(心臓病)だけで見ると、200から240がもっとも低く、ガンだけで見ると、280以上がもっとも低くなっています。

また別の調査では、高コレステロール血症のほうが、脳卒中リスクが低いという結果も出ています。総コレステロール値の平均が上昇するにつれ、脳出血や脳梗塞の発生率が低くなったという年次推移調査の結果もあります。
コレステロール値が低いほどうつになりやすいというのも、医師の間ではよく知られている事実です。

これまで「悪玉」とされてきた、LDLコレステロールに限っても、興味深いデータがあります。
LDLコレステロール値が100以下の男性ではガン、呼吸器系疾患が増加し、180以上になると心血管系疾患が増加します。
また女性においては、LDLコレステロール値によって死亡率は大きく変化しないことがわかったのです。
また、人間ドックを受けた150万人から抽出された、超健康人約1万人のデータから出した、LDLコレステロールの上限値は男性で178、女性は年齢別で152〜190とされています。
現在の基準値は60〜119ですから、そうとう大きな差があります。

これらの項目で上げたのは、すべて日本人だけを対象にした調査です。
こうしたいくつものデータは、何を意味するのでしょう。
ずっと悪玉あつかいされてきたコレステロールですが、低すぎるとむしろ害になるということ、そして今の日本の基準値は、極端に低すぎるということを、示しているといえるのです。

ただ、先ほど紹介した相対死亡危険度の調査でも、コレステロール値が高すぎれば、死亡危険とは高くなります。
また、体内でコレステロールが余ると、それだけ酸化や糖化するリスクも増えてしまうため、高ければいいというものでもありません。
しかし、今の基準値を鵜呑みにして、コレステロール値を下げよう、下げようとすると、かえって健康を損なう危険があるのです。

前に、血糖が死亡に換わり、万病を招くメカニズムを説明しました。
その話は、そのまま「肉より、ご飯を食べすぎるほうが太りやすい」「肉より、ご飯を食べすぎるほうが、病気につながりやすい」と言い換えることもできるでしょう。
カロリーだけ見れば、たしかに糖質より脂質のほうがずっと高めです。
コレステロール値も、高すぎれば病気の危険を高めます。

しかし、脂質が体内でどのような連鎖反応を生むかを見れば、糖質のほうが、はるかに危険であることは明らかです。加えて、脂質をとりすぎたとしても、コレステロール値は体内で適正に保たれるようになっています。
じつは、体内で必要とされるコレステロールのうち、4分の3はたいないで作られており、食事から補給するコレステロールは、4分の1程度にすぎません。しかも、食事からとるコレステロールが多ければ、体内で作られるコレステロールは減らされます。
このように、つねにちょうどいいところに、コレステロールの量を調整するように体はできているので、多少、脂質をとりすぎても、即、コレステロールオーバーとはならないのです。

脂質は、健康の大敵のようにいわれてきましたが、その認識も、そろそろ改めるときではないでしょうか。今まで述べてきたように、むしろ危険視し、とりすぎに気をつけるべきなのは、糖質なのです。

平成28年1月28日

顆粒球が病気の原因?

「未来免疫学―あなたは「顆粒球人間」か「リンパ球人間」か(安保 徹 著)」より

◎胃潰瘍の原因は顆粒球
統計によると、四十代の日本人男性のうち約10%は胃潰瘍に悩んでいるという。公私ともに、責任もストレスも重くなる年代である。
胃では、壁細胞から塩酸が分泌され、pH1〜2の強い酸性になっている。「胃は自分で自分を消化してしまうのではないか」などと、つい心配してしまうのはこのためだが、そこはうまくできていて、胃の内面は特殊な粘液の層で守られている。
また食物や飲料を摂取することによって胃の強度の酸性は中和され、一時的にpH5〜6まで上昇する。食物が胃から十二指腸に達したときには、ここには粘液の保護膜ではないので、アルカリ性の腸液や膵液(重炭酸ナトリウム液)によって中和が行われる。
しかしこれらの防御の仕組みがうまく動かないと、胃や十二指腸で「自己消化」が起こって組織破壊が起こるといわれる。今日の医学では、胃の塩酸分泌過剰が元凶とみて、胃潰瘍や十二指腸の患者にH2ブロッカーなど制酸剤が処方されることが多い。
制酸剤のH2ブロッカーが使われるためには、酸の出すぎ、すなわち副交感神経優位になっていなければならない。ところが、びらん性胃炎や胃潰瘍の組織標本をよく観察してみると、胃粘膜下には多数の顆粒球の浸潤が認められる。虫垂炎の例と同じように、粘膜下で数を増やした顆粒球は活性化すると活性酸素を放出し、組織破壊を引き起こす。
それにもまして、顆粒球が増えているということは、副交感神経優位であり、総じて分泌活動はストップする傾向にある。現に、びらん性胃炎や胃潰瘍の人は胃の蠕動が制御されて酸分泌が弱まっており、食欲不振を示している。
要するにわれわれは、〈潰瘍の原因は顆粒球だ〉とにらんでいるのだ。胃潰瘍の原因として最近注目されるようになったヘリコパクター・ピロリ菌も、顆粒球を活性化する刺激があることがわかってきた。
最近のことだが、潰瘍が顆粒球によって起こるという仮説を裏づける決定的データが得られた。これは、山形大学の仙道富士教授からラットの顆粒球抗体をいただいて行った実験の結果である。抗顆粒球抗体とは、顆粒球が膜上に出現させているある物質に対する抗体ということで、これをラットに投与すると、顆粒球を死滅させる強力な物質になる。
まず5匹のラットに、あらかじめこの抗体を投与して顆粒球を除いておき、24時間、金網に手足をしばりつけるというストレスを与えたが、胃潰瘍の発症は一例もみられなかった。比較対照するために、同じストレスを顆粒球を除かなかった5匹のラットに与えたところ、こちらのラットは1匹残らず胃潰瘍になった。
この実験で、潰瘍形成は顆粒球の存在をなくして起こらないということがわかるが、ダメ押しのつもりでわれわれは、さらに五匹のラットにG-CSFという顆粒球を増殖させるサイトカイン(ホルモン様の物質)を与えて顆粒球を約3倍に増やして同じ実験を行った。するとこの5匹のラットは、わずか八時間の拘束によって胃潰瘍ができた。粘膜破壊の謎は、実験的にも確かめられた。顆粒球が多いほど潰瘍になりやすいというのが現段階での実験結果である。

◎なぜ若い人に急性腎炎や急性膵炎が多いのか
精神的に自分がストレスを感じていない場合でも、顆粒球が増えて病気にかかる例がある。若い男性に多いのが、急性腎炎や急性膵炎である。
この人たちの病気にかかる前の行動を聞くと、たいてい激しい交感神経の緊張を強いる行為がなされている。極端に睡眠不足であったり、ほとんどつまみを食べずに大酒を飲んだり、体力に自信があるからといって激しすぎるスポーツに挑戦したりと、心にストレスがなくても、体には多いにストレスを与えていることが多い。
これでは、アドレナリンレセプターを持つ顆粒球が一気に勢いづき、活性酸素をじゃんじゃん出して臓器障害を引き起こしても不思議はない。顆粒球による組織破壊は、その程度が激しい場合、細菌感染なしでも十分に起こりうるのである。
また腎炎、膵炎のほかに肺炎にも急性のものがある。肺炎の場合は常在菌による感染も充分ありうるので、細菌性の肺炎と診断されてしまうことが多いが、こちらも同じく過労などで交感神経の緊張状態が続いたとき、顆粒球の働きで肺の組織傷害が引き起こされる可能性がある。
実際、急性肺炎の患者の白血球は顆粒球レベルが異常に高くなっている。調べたかぎりでは、物理的精神的ストレスからさまざまな病気が引き起こされた場合、ほとんど例外なく顆粒球の増加が認められていた。
このほかに顆粒球を活性化させる刺激としては、マクロファージやリンパ球から生産されるサイトカイン(ホルモン様の物質)もある。そのサイトカインの一つに腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor)があり、頭文字を取って通称TNFと呼ばれている。
TNFは、はじめ、がん細胞を殺す特効薬として期待されていた。しかし予想と反して、この物質ががんの末期に血液中に大量に見つかり、全身の細胞を殺すことがわかった。また、TNFの刺激を受けた顆粒球は自爆し、活性酸素を出してまわりの組織を破壊する。
よいと思われていたものにも、意外な落とし穴があるという例である。

平成27年7月15日

若い人に多い突然の頭痛

「まじめをやめれば病気にならない(安保 徹 著)」より

若ければたしかに多少の無理はききます。しかし若い人でも、長時間労働が続けば、やはりからだを痛めてしまいます。
こんな例があります。20代はじめの若い人です。就職してから毎晩残業で、帰宅が夜の12時ごろになる生活が続きました。半年経ったころから激しい頭痛に悩まされ、目にも差し込むような痛みが出はじめました。
病院に行ったところ「群発性頭痛」と診断され、痛み止めをもらい、「耐えられないような激しい痛みのときには、酸素を吸うように」と酸素を吸う装置を渡されました。
群発性頭痛とは、いったん起こると、一日数回、連日、あるいは一ヶ月のあいだに数回といった頻度で起こる激しい頭痛のことで、たいていは眼の奥の痛みを伴います。そして涙や鼻水が出たりします。これは20〜30代の男性に多いものです。
なぜ群発性頭痛が起こるのか、そのメカニズムを説明しましょう。
無理をして疲れたときには、からだに炭酸ガスがたまります。そのために、血管の酸素分圧(血管中の体積あたりの酸素量)が下がり、炭酸ガス分圧(血液中の体積あたりの炭酸ガス量)が上がります。からだはその状態から解放されようと反応します。血管を広げて酸素をからだじゅうに十分に送り込もうとするのです。この、血管を広げたときに痛みが起こるわけです。
ですから、ストレスの最中には頭痛が起こりません。ホッとしてストレスから開放されるときに血管が広がり、プロスタグランディンやヒスタミンなどの化学伝達物質が出て、血管を広げて血流を回復するのですが、その過程で頭痛が強く起こるわけです。脳の血管、とくに内頚動脈という目のうしろの脳を養う太い血管が拡張して腫れるために、激しい痛みが生じます。これが群発性頭痛が起こるメカニズムです。
酸素吸入が効果的なのは、激しい頭痛が生じる最初の原因が酸素不足ですから、からだに酸素を入れることで酸素分圧を上げ、炭酸ガス分圧を下げることによって早くいい血流にもどすことができるからです。群発性頭痛には激しい痛みがともなうので、痛みが一時間も二時間も続くと、非常につらいものです。ですから酸素を吸って、早く痛みを取り除くわけです。
また、酸素不足を解消しようと血管が広がるので、血管収縮作用のある抗ヒスタミン系の薬を飲めば、一時的に痛みは和らいだり収まったりします。
しかし、そうしたことはあくまで応急処置であって、一時的に頭痛を緩和するに過ぎません。もともとは無理な生活が頭痛を引き起こしているのですから、その生活を改善しないかぎり、応急処置でその場はしのげても発作はいずれまた起こります。
いくら若いといっても、そのままの生活で薬を飲みつづけ、激しい痛みが出たら酸素を吸うということをくりかえしていては、頭痛は治まらないどころか、すこしずつ悪くなっていき、群発性頭痛が起こる頻度が高くなっていきます。脳の血管に負担がかかりつづけ、さらに悪くなれば、くも膜下出血などにいたる危険性があるのです。
こうした症状が出たときには、からだが悲鳴を上げて、「このままの生活では大きな病気を引き起こしかねないよ」と注意信号を送っているのです。そのからだの声を真摯に聞くことができるかどうかが、自分の健康を守れるかどうかの決め手なのです。
若いから大丈夫だとか、仕事が忙しいのだから仕方ないと、からだの声を無視してそのままの生活を続けたら、いずれは大きな病気にかかり、場合によっては生命の危険すら生じかねないのです。
そこで、病気を直すことがでいるかどうかは、本人が仕事よりもからだを守るほうが大切だと考えられるかどうかにかかっています。

平成26年5月28日

免疫力を高める食べ方・飲み方

「疲れない体をつくる免疫力(安保 徹 著)」より

◎しょうがは「体を温める特効薬」

仕事などで疲れた時は、体をシャキッとさせたいがために、キンキンに冷えたものや、辛いものなどを食べたくなりがちです。
しかし、こうした刺激物は、交感神経タイプの疲れにとっては、かえってよくありません。
交感神経タイプの疲れを取るためには、副交感神経を優位にしなくてはなりません。
しかし、冷たいものは、体を冷やして血管を収縮させ、交感神経を刺激します。
また、辛いものは、体を興奮させるので、これも交感神経を緊張させます。両方とも、ますます交感神経の緊張に拍車をかけるのです。
交感神経タイプの疲れによいのは、体を温めるものです。温かい紅茶にしょうがを入れて飲む生姜紅茶などはお勧めです。 疲れた時に、少しだけ酢の物を撮るとよいという話もよく聞きます。
たとえば、酢の味を思い浮かべてみてください。
思わず唾が出てくると思いますが、これは、体が、酸っぱさを「いやなもの」と認識し、それを排泄しようとして、副交感神経を優位にし、体の分泌機能を活性化しているからです。
酸味や苦味によって生じた、排泄を促進する副交感神経の反応を、私は「いやなもの反射」と呼んでいます。
これは、交感神経タイプの疲れに効きます。血管を開いて血流を回復し、分泌活動を活発にし、リンパ球の働きを活発化させることで、体の中の疲労物質や老廃物が排泄されるからです。
ただし、酢を摂りすぎると、体を壊します。酢は、体にとって不要な老廃物だからです。
私たちは、炭水化物を摂った後、それを酸化させてエネルギーを取り出しています。
そこで取り出した後の残りかす、つまり老廃物がアルコールや酢酸です。子どもたちは、皆、酢が嫌いです。
体にとっては不要なもの、摂りすぎるとよくないものであることを本能的に知っているからでしょう。
ですから、酢が体によいのは、あくまで少量を摂った時で、排泄反射が起こり、副交感神経を優位にするからです。
排泄反射が起こるということは、体にとってよくないのですから、摂りすぎると体を壊すわけです。

 

◎疲れには「砂糖ミルク入りのコーヒー」が効く!

仕事や外出から帰ってきた時に、私たちはお茶やコーヒーを飲んで一服します。それは、含有されているカフェインの作用を体が求めるからです。
カフェインには、副交感神経と交感神経の両方を刺激する作用があります。本来は、交感神経を刺激する興奮作用を持っているのですが、少量だけ体に入ると、まず、体が苦味を感じて「いやなもの反射」を起こします。
こうして、短い時間だけ排泄反射が起き、副交感神経が優位になってリラックスします。
カフェインには利尿作用があるので、お茶やコーヒーを飲むとトイレに行きたくなりますが、これは、副交感神経の排泄反射によって引き起こされているわけです。
しかし、カフェイン自体は、本来、体を興奮させる作用を持っているので、副交感神経の反応が終わったころに、交感神経を刺激し、体を興奮させ、元気が出てくる反応が起きます。
お茶を飲んで一服する時は、まず、リラックスして、その後元気が出て、また仕事を始めるという流れになりますが、これは、自律神経の反応をそのまま反映した現象であるわけです。
これは、カフェインが入ったものなら、コーヒーでも、日本茶でも、ウーロン茶でも同じようになります。
ただ、疲れがちょっときつい時には、砂糖を少し入れたコーヒーや紅茶がよいでしょう。
砂糖を少し入れると、リラックス作用が大きくなります。
また、ミルクを入れると、脂肪が加わるので、リラックス作用の時間が長くなります。

平成25年8月27日

ちょっとためになる話 子供のアレルギーとストレスについて

「疲れをためない生き方(安保 徹 著)」より

◎子供が受けるストレス

私たちは昼間、仕事を数r時、交感神経を優位にし、筋肉を緊張させているわけですが、一日のほとんどが交感神経のゆうい状態になっている場合は、夜になっても、筋緊張が残るという症状が出てきます。睡眠中でも肩がこる、腰が張る、こむら返りが起きる、指がつるという独特の筋緊張が出てきたら、その人は交感神経が緊張し疲れていると言えます。交感神経タイプのお疲れレベル3あたりの現象です。これは、病気にある前触れだと言えるでしょう。
子供の場合、筋緊張は、夜間の歯ぎしりの形で現れがちです。寝てから、ギーギーギーギー、歯ぎしりするのは、子供に非常に負担がかかっているからだと考えられます。
第一章でも指摘したように、仕事のほか、心理的なストレスでも、交感神経は緊張します。大人の場合は、さまざまな悩み事、怒り、抑圧された感情などが交感神経を緊張させます。ストレスがもとで交感神経緊張が続くと、疲れが発生します。
子供の場合は、親の心理的ストレスを感知すること自体が自分のストレスになることが多いようです。
例えば、お父さんが、夜遅くまで長時間労働をして、なかなか家に帰ってこない。それを受けてお母さんの心が満たされなくなり、交感神経が優位になる。そのお母さんの接している子供は、お母さんの不安を感じ取って交感神経が優位になる―。
私たちは、心が満たされている時には、ストレスを受けても心のゆとりを保てるものです。しかし、お父さんも忙しい、お母さんも心のゆとりがない、あるいは両親とも働きに出て家にいないとなると、子供も常に漠然とした不安を感じながら毎日を送るようになり、心にゆとりがなくなります。そして、家庭にたまったストレスを身に受けてしまうのです。
ストレスがさらにひどくなると、子供には、夜の歯ぎしりどころか顎関節症やアレルギーの症状などが出るでしょう。現代の子供たちは、日ごろから、甘いものを食べ、運動不足で副交感神経優位となりリンパ球体質ができ上がっています。そこに、家庭のストレスが押し寄せると、一気に交感神経が優位となり、それを排泄しようとして、副交感神経が優位となります。ここで、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が発生するわけです。

 

◎アレルギーを治すには、ストレスの解消が先決。ステロイド剤は使わない

子供にアレルギーが発生した場合の対処法は、2つあります。
1.まず、子供にかかる家庭のストレスを軽くしてあげてください。
2.次に、精神や体を鍛えたり、乾布摩擦をしたり、太陽の光を浴びたりするなどして、徐々に、子供の副交感神経が過剰優位になった体質を改めてあげることです。
子供のストレスを解消するには、親自身が仕事量を減らすか能力を上げて休息をとるなど、疲れをためないことも大切です。
対処療法として、抗ヒスタミン剤やステロイド剤を長期にわたって使うのはお勧めできません。アレルギーの症状は、普通は大人になって交感神経優位の体質に移行するにつれ治まっていくものです。ところが、ステロイド剤を長期間使うことにより、ステロイドが、酸化コレステロールという過酸化脂質に変化して体内に沈着し、炎症の原因になるのです。これが、近年、たいへん多くなっている成人のアトピー性皮膚炎が治りにくい真の原因です。

平成25年5月27日

ちょっとためになる話 驚くべき呼吸法の効果

「疲れをためない生き方(安保 徹 著)」より

◎呼吸は、自律神経を意識的に刺激するスイッチ

さて、ここからは、具体的な実践のコツを述べていきます。
1時間に1回の休息の際に、まずやるとよいのが、深呼吸です。「なんだ、呼吸か」と言ってバカにしてはいけません。深呼吸は、工夫によって自律神経をコントロールするスイッチの役割を果たすので、気分を落ち着かせて体の声を聴きやすくしたり、逆に集中力を高め、活動しやすくします。また、体操の前に行うことで、体に酸素を取り込んで、筋肉をほぐします。さらに、肺が広がり血流を促しますので、胸がふさがる姿勢を続けている人に多い肺がんを予防することにもなります。
肺は、自分の意志で動かせない自律神経と、自分の意志で動かせる運動神経の両方から支配を受けている唯一の臓器です。私たちは、呼吸という意識的な行為を介して、普段は意志の支配を受けつけない自律神経を刺激し、そのバランスを整えることができるわけです。さらに細かく言うと、息を吸う時に交感神経が優位になり、吐く時に副交感神経が優位になります。

 

◎副交感神経を優位にする腹式呼吸

仕事に集中しすぎて交感神経優位が続き、呼吸が浅く速くなると、やがて酸欠に陥り疲れが生じます。こうした時は、副交感神経を刺激しなくてはなりません。より効果的に刺激するには、たくさんの酸素を取り込むことと、吐く息を吸う息よりも意図的に長くすることの2つが必要です。
この2つを兼ね備えた呼吸法が、腹式呼吸です。
腹式呼吸は横隔膜を上下させることによって行う呼吸法です。横隔膜の上下によって、腸が刺激されるので、副交感神経を優位にします。
やり方は、まず、背筋を伸ばして胸を広げ、下腹部分をへこませながら、ゆっくりと、「これ以上吐ききれない」というところまで息を吐きます。息を吐ききると、自然に息を吸う流れに入れます。そして、意図的にお腹を膨らませながら息を吸います。吐く時間が、吸う時間の2倍以上になるようにしましょう。吸う時は鼻で、吐く時は口をすぼめて量をコントロールすると、うまくいくでしょう。
仕事の合間に休息を取る際は、腹式呼吸を行った後、体に意識を向け、体の声を聴いていきましょう。
日中リラックスしたい時だけでなく、寝る前に行うと、寝つきがよくなるでしょう。また、夜中に何となく目が冴えて起きてしまった時も、腹式呼吸の「吸って」「吐いて」の一呼吸を1分間かけて非常にゆっくりとやってみてください。おそらく5回も呼吸しないうちに、眠くなってくることでしょう。1分間かけて一呼吸というのが長すぎてできないという人は、最初は40秒で一呼吸してみてください。慣れてくると、だんだん長くできるようになります。

 

◎交感神経を優位にする胸式呼吸

呼吸で刺激できるのは、副交感神経だけではありません。リラックスでなく、逆に集中したい時や気力を出したい時は、交感神経を刺激する胸式呼吸をするとよいでしょう。胸式呼吸は、肋骨の動きによる呼吸法です。まず、姿勢を正し、両手を軽く握り、顔の横に持ち上げます。その状態のまま、ひじを左右に開きながら、口で「スッ」と勢いよく息を吸い、胸を張って空気をため込みます。一呼吸おいた後、フッと肩の力を抜くと、自然にひじが下りますので、その時に息を吐きます。これを5回ほどやるとよいでしょう。頭に血液と酸素が巡り、意識がはっきりしてきて、心身共にシャキッとしてきます。

平成25年3月11日

ちょっとためになる話 心の疲れ・ストレスを撃退/不眠撃退法

「病気にならない免疫学(安保 徹 著)」より

「心の疲れ・ストレス」を撃退する習慣

◎シミ・シワ―「体の酸化」を防ぐ法

老化、糖尿病、そして、ガン……「ストレス」はこれらすべてに大きな関わりを持っています。
これまでの研究から、ほとんどの病気は、「交感神経緊張→顆粒球の増加→リンパ球の減少」というパターンで起こることがわかっています。
そして、自律神経を乱し、交感神経の緊張を引き起こす最大の原因がストレスなのです。
ストレスと言っても、漠然としているかもしれません。病気を引き起こすストレスには、主に次の3つの種類があります。

1.心の悩み
2.働きすぎ
3.薬の長期使用


これら3つの要因を排除することが、ストレスから解放され、病気を防ぐコツと言えます。これから、それぞれのストレスが病気へと発展するパターンを明らかにし、その解決法を考えてみたいと思います。
まず、1の「心の悩み」について、具体的に説明しましょう。
「心の悩み」とは、不安や心配事、恐怖、苦痛などの苦しくて辛い感情、つまり精神的ストレスのことを言います。
苦しくて辛い感情が起こると、交感神経が緊張します。交感神経が緊張すると、白血球中に顆粒球が増加します。すると、体内では血圧や血糖値の上昇、脈が早くなるといった変化が起きます。
わかりやすい例を挙げると、たとえば大勢の人の前で話をするときは、誰でも緊張をして、心臓がドキドキし、手に汗をかくでしょう。そのような状態のことです。
ただ、正常な状態であれば、交感神経が緊張しても、やがて副交感神経が働くため、自律神経の均衡は崩れません。
ところが、こうしたストレスが長い間続くと、体が正常な状態に戻りにくくなるのです。こうなると、交感神経が優位となり、顆粒球がどんどん増えていきます。
顆粒球が増えすぎると、リンパ球が減り、免疫力が低下するため、さまざまな病気を引き起こしてしまうのです。
風邪も、痔も、ガンも、老化も同じ仕組みで発症します。
また、顆粒球は短命で2〜3日もすると死んでしまうのですが、その際に大量の活性酸素が発生します。その活性酸素で組織を傷つけ、障害を招くのです。
組織障害がどこで起きるかで、症状や病気の種類は異なります。たとえば、咽喉をやられればかすれ声に、胃をやられれば胃炎や胃潰瘍になるといった具合です。
もちろん、ガン細胞も発生しやすくなります。
組織障害は細胞分裂によって修復されますが、障害と修復が何度も繰り返されることによって、ガン遺伝子へと変化してしまうからです。
このとき、リンパ球が働けば免疫が働き、ガン細胞を正常細胞へと導くことも可能です。しかし、リンパ球が減少しているために免疫力が弱まり、ガン細胞の増殖を止めることができなくなってしまうのです。
老化についても同じです。
老化とは、いわば細胞内分子の酸化のことです。肌に張りがなくなったり、シミやシワが増えたりするのは、皮膚表面の細胞が酸化しているからです。
同じように体内でも酸化が進んでいるわけです。
酸化も一種のストレスです。鉄が空気(酸素)に触れると参加してさびつくように、体を形成する60兆個の細胞も同じ現象を起こしているのです。
もうおわかりでしょう。精神的ストレスが積もり積もった結果、病気となり、ガンを引き起こすこともあるのです。
ですから、病気にならずに健康的に生きるためには、不安や心配事といった精神的ストレスを引きずらないようにすることが大切です。そのためには、何が根本的な原因なのかをしっかりと認識し、早めに手を打つべきです。
精神的ストレスを解消する方法は、人それぞれだと思います。お風呂にゆったり浸かるのもいいでしょうし、好きな映画を観たり、音楽を聴いたりするのもいいでしょう。 自分なりの「心を軽くする」方法を見つけ、実践することをお勧めします。
日頃、クヨクヨ悩みがちな人は、できるだけ思い詰めないように、ときには気楽に考えることも必要なのです。

 

◎最初に「自分はどちらのタイプ?」を確認【「不眠」撃退法】

ふとんに入ってもなかなか寝付けない―。そうした人が増えているようです。
不眠症の原因は主に2つあります。交感神経緊張型と副交感神経緊張型です。
交感神経緊張型は、なんらかのストレスを抱えてあれこれと思い悩み、頭が冴えて眠れなくなるタイプです。高齢者には結構多いです。
副交感神経緊張型は、日中、あまり運動や作業をしないため、疲れないから眠れないタイプです。
不眠と言っても、それぞれのタイプで原因は180度違うわけです。
それをいっしょくたにして、現代医療では睡眠薬や抗不安剤で治療しています。これらの薬は、脳に働きかけて神経伝達ブロックという仕組みで入眠させます。
脳に働きかけるので、必ず「興奮状態」が残ります。そのため、副交感神経型の不眠も、薬によって交感神経緊張型に移行していきます。
薬を使うと、どちらのタイプかわからなくなってしまうこと、また、これらの薬には依存性が強いことがやっかいです。
中には、10年も20年も使い続けている人もいます。すると、今度は「薬がやめられない」ことがストレスになってくるのです。一度にやめることが無理でも、徐々に減らす努力は大切です。
私は、それぞれのタイプ別に次のようなアドバイスをしています。
まず、「頭が冴えて眠れない」ときの対処法です。
このタイプは、脳が興奮状態にありますから、それをさましてあげることが必要です。
まず、寝床に横になり、深呼吸をします。鼻から大きく吸って、口を細めて少しずつ吐き出していきます。これを眠るまで続けます。
息は、必ず鼻から吸ってください。
不安や心配事があると、自然と浅く早い呼吸になりがちです。これを意識して深い呼吸に切り替えるのです。

平成24年10月31日

水分は“とり方”がポイント!

緑茶は梅干しを加えて

朝食の飲み物としてショウガ紅茶をおすすめしましたが、紅茶も緑茶も、もともとの茶葉は一緒。発酵させずに乾燥させたものが緑茶、発酵させて乾燥させたものが紅茶です。「緑茶はビタミンCやカテキンをはじめとする栄養素がとても豊富です。最近、生活習慣病対策の味方として見直されているのも、うなずけます。ただひとつの大きな難点は、紅茶と違い、緑茶にはからだを冷やす作用があることです。
緑茶の原産地はインドですから、南方産の食品ということになります。たとえ熱して飲んだとしても、陰性という性質は変わりません。とくに、冷え性の人はがぶ飲みするようなことは避けましょう。「食後は緑茶で締めくくりたい」という人は、梅干しと一緒にとると、陰性の性質が緩和されるのでおすすめです。

コーヒーは体がぽかぽかのときに

コーヒーはアルカリ飲料で、病気を引き起こす活性酸素をブロックするクロロゲン酸などの抗酸化物質が多く含まれています。そのほか、血糖を下げたり、動脈硬化を予防するなどの働きがあるともいわれています。
ですが、やはりコーヒーも南方のエチオピア産の陰性食品。からだを冷やす作用があります。とくに空腹時にたくさん飲むと、体が冷えやすくなるので、控えたほうがよいでしょう。コーヒーのよいところだけを生かすなら、肉食のあとや、運動後のからだが温まった状態で飲むのがよいでしょう。


“プチ断食”で免疫力アップ!

病気にならない食生活とは?

少食を心がけ「腹八分目」の食生活が免疫力を高めることは、さまざまな研究からも実証されています。満腹になるまでエサを与え続けたネズミと、“腹五分”を保たせたネズミの両方に放射線を照射する実験では、発ガン率に大きな差が生じるという結果も出ています。
現代人のライフスタイルは、運動は少なめ・食事は多め、というふうになりがちですが、そんな“食べすぎスタイル”はガンをはじめ、生活習慣病を引き起こす原因にもなっているのです。

白血球は空腹でこそ活躍する!

免疫力とは、つまるところ、白血球の力です。
その白血球は、空腹のときほど高い免疫力を発揮することも、前にお話しましたよね。
糖分は白血球のエレルギー源ですが、だからといってとりすぎると、白血球そのものの働きが鈍ります。満腹の状態で雑菌やウイルスと「さあ、闘え」といわれても難しいいのです。百獣の王ライオンだって、満腹のときには獲物に見向きもしない。それと同じです。
栄養過多で血液中の糖分が多すぎる状態(=高血糖)になると、白血球の働きは衰え、免疫力も低下してしまうのです。
以上のようなことから、免疫力を高め、病気にならないようにするためにはまず「食べすぎをやめる」生活習慣が必要だということがわかるでしょう。

平成24年10月1日

水毒と血液の汚れについて

「体を温める漢方で不調を治す(石原 新菜 著)」より

不定愁訴の原因は水毒であることが多い

女性は男性に比べて筋肉量が少ないので、体温が低くなる傾向にあります。なぜなら、筋肉は「熱」を生み出す最大の器官だからです。ですから、筋肉量の少ない女性には「冷え性」が多いのです。
体温が低いと、体の中での水の代謝も低くなりますし、腎血流も悪くなるので、尿として排泄する水の量が少なくなります。そのため、水が体に溜まってむくみやすくなり、溜まった水で体が冷えれば、全身の代謝が落ちて太りやすくなるのです。女性がむくみやすく太りやすいのは、「冷える体質=陰性体質」であるからだと言うことができます。
陰性体質の人は、低体温、低血圧の傾向になりやすいのですが、漢方で言う「水毒」の状態になりやすい体質でもあります。「水毒」とは体の中の水のバランスが崩れて、体の中に余分な水が溜まった状態のことを言います。
水は空気の次に大切なものですが、体の中に多くなりすぎてもよくありません。植物に水をやりすぎると根腐れしますし、空気中の水分が多いと湿気が多くなります。そのことをどう表現するかというと、「不快指数が高い」と言います。空気中に水分が多いとジメジメ、ベトベトして不快なのですから、体の中に水分が多いと不快になるのは当たり前なのです。
「水毒」とは、字の如く「水に毒される」状態です。「水毒」の症状はたくさんあります。肩こり、頭痛、頭重、めまい、耳鳴り、耳閉感、ふわーっとした感じ、動悸、息苦しい、外を見るとまぶしい、不安、不眠などです。
このような不定愁訴は、西洋医学でいろいろな検査をしても異常が見つからず、結局「自律神経失調症」「更年期障害」という病名をつけられ、心療内科や精神科などを紹介されてしまうのです。
しかし、実はこれらの不定愁訴は「水毒」が原因であることが多いのです。

水毒になりやすい人
・普段から水分をたくさん摂っている人 →水の摂りすぎ
・体温が低い人
・冷え性の人
・色白の人(生まれつきの体質)
・筋肉が少ない人
→水分の排泄が悪い

これらのうち一つでも該当するものがあれば、水毒および水毒予備軍になりやすい人です。ほとんどの女性は陰性体質なので、どうしても体の中に水を溜め込みやすいのです。だからこそ、女性は水分を「摂る」ことよりも「出す」ことを意識しないといけません。
余分な水が溜まれば「水毒」の状態だけに留まりません。体に余分な水が溜まれば体は冷えるので、常に濡れた水着を着ているのと同じ状態です。体が冷えると全身の血行が悪くなりますから、「於血」を引き起こします。
淤血の症状は、のほせ、頭痛、肩こり、腰痛、生理痛、生理過多、子宮筋腫、イライラ、しみ、そばかす、あざができやすい、痔、あらゆる出血(不正出血など)などです。
気・血・水のうちどれかが滞れば、必ず他のものに影響し、体のバランスが崩れます。女性のあらゆる不調は、元をたどれば「陰」という性質にあると言うことができます。
女性は、もともとの体質が「陰性」であるがゆえに冷えやすく、水を溜めやすい性質です。水の流れが悪くなれば、気の流れ、血の流れも悪くなり、さまざまな不調が起こります。つまり「陰」である女性は、徹底的に「体を温めること」が大切なのです!

万病一元、血液の汚れから生ず

東洋医学に「色は血となり、血は肉(期間)となる」という言葉があるように、私たちの体は食べたものでつくられ、生きています。
また漢方には、「万病一元、血液の流れから生ず」という言葉があります。これは、どんな病気も血液が汚れているから起こるのだという考え方です。
食べすぎで血液の中が栄養過剰になったり、運動不足や冷えで老廃物が燃焼されずに血液の中に溜まってしまえば、血液は汚れていきます。この状態を漢方では「於血」といいますが、「汚血」と書くこともできます。病気は、この血液の汚れた状態を放っておくと起こってくるのです。
血液は全身をめぐって、60兆個の細胞に必要な水、栄養素、酸素を運んで、不要になった代謝物(老廃物)を回収し、病原菌やウイルス、がん細胞と戦う白血球も運んでいます。全身の細胞や期間、臓器が元気に働くことができるのは、キレイな血液が全身をくまなく巡っているからなのです。
つまり、私たちの健康は「血液」にかかっていますが、キレイな血液を全身にくまなく巡らせるためには「食生活」と「運動習慣」が大切なのです。現在、死亡する人の6割、死因の第3位までが「生活習慣病」です。普段から「食べすぎないこと」「運動をすること」を心がけていれば、かなりの病気のリスクを減らすことができます。
動物の世界には医師も病院も存在しませんが、みんな元気に生きています。野生の動物もまれに病気をすることがありますが、そのときは熱を出したり、食欲をなくしたりして病気を治しています。
人間も動物です。動物の世界で、医師も病院も存在するのに病気をし続けているのは人間だけなのです。病気を治す最終手段は、熱を出すか、食べないかであり、病気にならないためには、普段から運動や入浴などで体を温める、食べすぎをしないことが大切なのです。
生活習慣を改めないで薬ばかりに頼ろうとするから、病気になる人が減らないのです。生活習慣を改めたうえで、それでも万が一病気になったら、自然の生薬からできている漢方薬の助けを借りて、うまく切り抜けていけばよいのです。
漢方薬は、西洋医学の科学薬品と違って、解熱・鎮静剤、免疫抑制剤のように体の反応を抑えたりはしません。むしろ、体の自然治癒力・免疫力を上げる働きがありますので、そのときの状態にあわせて漢方薬を上手に服用することが体にとって一番いい方法だと思います。

平成24年8月24日

ちょっとためになる話 水分をとりすぎている

足浴・手浴で、末端から温める! 〜“温→冷”をくり返せば、運動と同じ効果も

からだ全体の冷えを改善するのにとても効果の高い方法が、足浴と手浴です。「足だけ、手だけで体が温まるの?」と思われるかもしれませんが、ぜひ一度試してみてください。効果のほどを実感されると思います。
やり方はとても簡単。43℃くらいのやや熱めのお湯を洗面器に入れ、保温力を高めるために粗塩(自然塩がよい)をひとつまみ加えます。手浴は足首から先を10〜15分間お湯のなかにつけます。
たったこれだけなのですが、手・足という末端を温めることで腕や足の血管が拡張。血行がよくなり、温まった血液がからだ中にまわるため、全身が温まるというわけです。
お湯で温めたあとに、冷たい水を入れた洗面器に1〜2分つける冷浴をすると、さらに温め効果が高まります。これを2〜3回くり返すと、からだ全体がぽかぽかしてきます。
足浴や手浴をすることで全身の血流がよくなり、心臓の負担が軽減されるため、一見手足と関係ない部分にもよい影響がおよびます。とくに、手浴→足浴の順に温浴・冷浴をくり返すと、運動をしているのと同じような効果がある、という説もあります。
いずれにしても、入浴と同じく、自分が気持ちよいと感じる回数や温度で、無理なくリラックスして行うことが大切です。

筋肉を鍛える前に 〜“有酸素+無酸素”のコンビが効果的

筋肉、とくに下半身の筋肉を鍛えることは、冷えにくいからだをつくって免疫力を高めるために欠かせません。適度な運動を継続していると、健康で気持ちよく過ごせるだけだなく、年を重ねてからも、骨粗しょう症や関節痛になりにくく、老化の進行もゆるやかになります。
筋肉を動かすときのエネルギー源となるのは、糖質(グリコーゲン)と体脂肪です。
糖質は体内に入るとブドウ糖として全身にいきわたり、余った分は肝臓や筋肉に貯蔵されます。そこでグリコーゲンとなって、必要に応じてエネルギーとして使われます。
このグリコーゲンをエネルギーとして使うのが、無酸素運動です。短距離走や筋力トレーニングなど瞬間的に強い力を加える運動で、筋肉を鍛えて基礎代謝を上げる効果があります。
一方、体脂肪をエレルギーとして使うのが、有酸素運動です。これはウォーキングやエアロビクス、水泳のように、息が切れない程度の運動を指します。ただ、脂肪が燃焼しはじめるまでには時間がかかるため、20分以上、運動を続ける必要があります。
筋肉を鍛えて免疫力を上げるためには、この無酸素運動と有酸素運動を組み合わせ、筋肉強化と脂肪燃焼の両方を効率よく行うことが大切です。

年をとっても筋肉は増やせる 〜定期的な運動で、筋力・免疫力アップ!

体温の40%をつくり出している、からだの最大の発熱機関“筋肉”。その筋肉を鍛えて増やすと、体温が上がり、免疫力のアップにつながります。
「筋肉を増やすなんて無理、筋力トレーニングにも自信がない…」と、しり込みする人もいるかもしれませんね。別にボディビルダー並みの筋トレをしなくても、筋肉は増やせます。女性でも、お年寄りでも大丈夫です。
以前は、筋繊維の数は生涯変わらないと言われていましたが、最近の研究で、筋肉細胞は増殖することがわかってきました。また、トレーニングによって、90歳の人でも骨格筋が肥大することも証明されています。いつトレーニングをはじめても、遅いということはないのです。
筋力低下を防ぐには、なにより、からだを動かすことが大切。定期的に運動をしていないと、30〜40代で1年に約227g、50代で約454gの筋量が減るというデータもあります。とくに、背すじ、おしり、下肢など体重を支える筋肉が低下しやすいので、注意が必要です。
加齢による筋力の低下がもっとも少ないのは、握力です。荷物を持ったり電車の手すりにつかまったりと、普段の生活で使う機会の多い手の筋肉は、自然と鍛えられているのですね。
このことからも、日常的に運動すれば、年を重ねても筋肉を鍛え、増やせることがわかります。

平成24年6月8日

ちょっとためになる話 水分をとりすぎている

余分な水分は血液をドロドロに!?

最近は「水分をとって血液をサラサラに」とか「こまめな水分補給で健康に」などという“健康の常識”がまかりとおっています。そのためか、つねにミネラル・ウォーターを携帯したり、ペットボトルや缶入り清涼飲料をひんぱんに飲んだりする人が多いようです。水分は、とても大切です。水なしで、人間は生きていけません。ただし、とりすぎには要注意!なぜなら水分のとりすぎは、体温を低下させる原因のひとつになるからです。
とくに現代の生活では、水分をたくさん補給しているにもかかわらず、汗をかいて水分を排出することが少なくなっています。エアコンのきいた部屋で長時間じっとしていたり、お風呂でなくシャワーですませてしまったり…などということに身に覚えはありませんか?
水分は体外に排出されないと、からだのなかにどんどんたまっていきます。余分な水分はからだの熱を奪い、からだを冷やすことになってしまうのです。
からだの冷えが白血球の動きを鈍らせ、免疫力を低下させるのは先に話したとおり。それだけでなく、冷えによって体内の退社が悪くなると、血液中にからだの老廃物がたまるようになり、血液がドロドロになることもあります。血液をサラサラにしようと水分をとったつもりが、かえって血液をドロドロにしてしまっては、泣くに泣けない話ではありませんか。
血液をサラサラにするには、血液を水で薄めるのではなく、血液の汚れを取り除き、循環をよくすることが大切。それには、軽い運動で体を温めることが有効です。

漢方の“水毒”とは?

水分のとりすぎが害になるということを、2000年も前から警告しているのが漢方の“水毒”です。これは、からだに水が溜まっている状態のことをいい、“水”“冷え”“痛み”は密接に関係していると考えられています。
たとえば、冷房のききすぎた部屋で頭痛がしたり、雨の日に腰痛やひざの痛みがおこることがあります。これらは“冷え”“水”から“痛み”が生じることを表しています。
“冷え”に対し、からだは“水”を使ったさまざまな応戦をみせます。寝冷えをするとおなかが痛くなり、下痢をしてしまうことがあります。これは冷えて痛みを生じたからだが、余分な水分を排出して正常に戻ろうとする作用が働くからです。風邪で鼻水やくしゃみが出たり、病気で寝汗をかいたり、老人が夜間に何度もトイレへ行くのも、すべて余分な水分を捨ててからだを温めようとするからだの反応なのです。
こうした“水毒”は、普段から運動をして汗をかき、からだを温めることが予防につながります。日ごろから運動不足を感じている人は、からだを冷やさないよう、温かくしておきましょう。

水毒が引き起こす症状

◆下痢
おなかが冷えると、からだの余分な水分を排出して、おなかを温めようとすることから、下痢になる。

◆アレルギー
結膜炎で涙が出る、鼻炎で鼻水が出る、アトピーで湿疹が出るなどの症状は、体内の余分な水分を排出して、体温を上げようとからだが奮闘しているしるし。

◆肥満
水分のとりすぎは、からだを冷やし、脂肪の燃焼を妨げる。とくに女性の肥満には、水をため込んだ“水太り”タイプが多い。

◆めまい、耳鳴り
漢方では、内耳のかたつむり管にあるリンパ液という水分が多くなりすぎることで、平衡感覚が狂い、めまいや耳鳴りが起こると考えられている。

平成24年3月27日

ちょっとためになる話 病気のしくみと治し方「不眠症」

「自分の免疫力で病気を治す本」(著者:新潟大学大学院医歯学総合研究科教授 安保 徹×e‐クリニック医師 岡本 裕)より

生活リズムの見直しを

不眠症には目が冴えて眠れないタイプと、日中、運動不足のために眠れないタイプがあります。前者は、心の悩みなどの精神的なストレスや過労で交感神経が緊張し、夜間になっても興奮が取れないことが眠りを妨げます。働きすぎの自覚がある人は、これまでより1時間、できなければ30分でも早く仕事を切り上げ、家で休養する時間をふやしてみましょう。
心の悩みは簡単には解決しないかもしれませんが、少しでも気持ちを軽くするように試みましょう。コーヒーや緑茶、紅茶などカフェインを含む飲料は、交感神経の緊張を招くので午後は飲むのを控えます。ゲームやインターネットの閲覧なども神経を興奮させます。夜間の気分転換は読書など刺激の少ないものにとどめ、興奮を誘う要因を身の回りからへらすことが大切です。
不眠症対策には、汗をうっすらかく程度の軽い運動や、ぬるめのお風呂にゆっくりつかって、体を温めるといいでしょう。副交感神経を効果的に刺激することができ、安眠を誘います。
不眠症の隠れた原因に、消炎鎮痛剤の常用があります。お年寄りの中には、ひざ痛や腰痛の治療で消炎鎮痛剤を何年も常用している人がいます。痛み止めの長期服用は、慢性的な交感神経緊張状態を作り上げます。脈が速くなったり、動悸がしたりするなど、独特の興奮状態が続き不眠に陥ります。思い当たる人は、消炎鎮痛剤をやめることで眠れるようになります。
運動不足で不眠になっている人は、早起きをして日中しっかり体を動かし、適度に疲れることが大切です。生活リズムを整えることで、眠れるようになるでしょう。

安易に薬に頼らない

不眠が3日も4日も続いて寝不足というときは、生活に支障をきたすので、頓服(とんぷく・症状のひどいときだけ使用する薬)を使って一晩ぐっすり眠るのもいいでしょう。しかし、安易に睡眠剤や精神安定剤を服用するのは避けてください。薬に頼っているうちに、薬がないと眠れない、薬をふやさないと眠れないという障害が起こります。
不眠の相談では、「薬をやめたいのに、やめられない」という悩みが実に多いのです。特に頻繁に名前が挙がるのは、「デパス」(ベンゾジアゼピン系安定薬・エチゾラム)です。この薬は、長期服用(半年から1年)すると依存性が生じます。
医師はこのことを知っているにもかかわらず、「耐性が生じるのは常用量が1日6ミリを超える場合で、1日0.5〜2.0ミリなら問題はない」などと楽観視して、デパスを処方しています。しかし、私に相談を寄せてこられる方たちは、1日0.5〜1.0ミリのデパスを年単位で服用した結果、依存症になっているのです。
ある男性は、10年間デパスを服用し、何度もやめようと試みましたが挫折しています。70代の女性は、20年近くデパスを飲み、「やめようとすると、胸がどきどきして不安になり、やめられません」と訴えておられました。この方は、ここ数年、涙やつばが出にくくなり、「悲しいことがあっても、まったく涙が出なくなりました」といっていました。体の分泌機能が低下していることからも、交感神経緊張状態が慢性化しているものと考えられます。
デパスに限らず、睡眠薬や精神安定剤の依存症で苦しんでいる人は、減薬から試みましょう。

平成24年2月25日

ちょっとためになる話 今年のクリスマス忘年会のテーマ「皆で大いに笑おう!!」

唾液はなんでも知っている!(著者:宮西ナオ子) 第3章 「笑いと涙が、唾液をパワーアップする」より

伊藤先生が今まで測定した方で「超健康体」、つまり酸化還元電位の数値が一番低い人は「-140mV」でした。
この数値は若くて健康と自負するような方でもなかなか出ない良好なものです。いったいどんな人なのでしょう。興味が湧きますね。
聞いてみると、なんと!その数字が出たのは63歳の女性でした。しかも5年前に乳がんの手術をされ、転移さえしていた方なのです。それなのに抗がん剤治療を拒否されたというのです。
彼女は、採取から手術や抗がん剤治療法をしたくないという希望があったために、伊藤先生の指導で、漢方(十全大補湯 -じゅうぜんだいほとう)を飲み、加えて「笑い」という生活習慣を取り入れたのです。彼女は笑いのあるリラックスタイムを日々の生活に取り入れ、人生を楽しむことに専念したのです。
伊藤先生が彼女に指導したことは「1日15分間は必ず笑いなさい」というものでした。彼女はそれを実行しました。そして月1回の笑いの勉強会にも必ず参加したといいます。その結果、免疫力が回復したのでしょうか。がんが発見された頃に測定した時は、がんと闘うNK細胞の数値が10%以下でしたが、伊藤先生の指導の下、漢方薬と笑いの効果か、3ヶ月後に20%に増加したといいます。半年後は30%になりました。
腫瘍マーカーのほうもどんどん下がる一方で、NK細胞もさらに40%になり、翌年には50%。さらに驚くことには、なんと腫瘍マーカーの数値がなくなってしまったのです!
転移していたがん細胞が、自然に消滅してしまったのです。そのとき唾液測定で計測した数値は、-140mVにまでなっていました。
彼女の笑いと治癒と唾液力は、みごとに一致しているのです。彼女こそ笑いでがんを克服してしまった方といえるでしょう。

伊藤実喜先生
福岡・博多区にある「伊藤医院」院長。福岡大学医学部大学院卒。福岡大学病院などを経て、1996年に老人デイケアを柱として開業し、在宅医療に情熱を注ぐ。また医療と笑いの関係に着目し、日本初のクラウンドクター、さらに世界で唯一の医学博士号を有するドクターマジシャンとして、テレビや雑誌に引っ張りだこ。そして「笑いと唾液」の関係を研究、積極的に啓蒙に務めている。

平成24年1月5日

四季の養生 “冬の過ごし方”

五行の法則元々東洋医学では、春、夏、秋、冬とそれぞれの季節に適した過ごし方があると考えます。
今回は、冬に気をつけたいこと、体のこと等々、お知らせいたします。
冬の寒さは体にもこたえます。動物が冬眠に入るように、人間の活動もいつもより消極的になります。現代は“暖房”という便利なものがありますが、昔の人に学ぶことも必要かもしれません。

右の図は「五行」と呼ばれ、自然の現象を長い間の経験、観察により5つに分類して物事を考えてきた図です。人体にもその理論を当てはめて考えます。
この「五行の法則」に今回のテーマ「冬(=水)」を当てはめてみていきたいと思います。イメージを繋げて楽しんでいただければ幸いです。

冬は「寒」の季節

「黒」で囲まれた「水」を見てください。「冬」「寒」くて暗いイメージなので当てはまる色は「黒」です。

この季節、注意をしたいのは「腎」。西洋医学で言う「腎臓」の働きのみならず、東洋医学では生殖機能、内分泌系等を含む広い範囲で考え、“老化”や“生命力”とも深い関係のある大事な部分となります。
またこの部分に「膀胱」、「髪」、「耳」、「骨」、等々あります。
“老化”と関係があると延べましたが、もちろん腎機能に関係ある頻尿、残尿感等の他、白髪、髪にツヤがなくなる、耳が遠くなる、骨が弱る(痛み)、腰痛、物忘れ、等々様々な症状が出てきます。これらはすべて「腎」の衰えと考えます。
現在は“肝必要”と書きますが、本来は“肝腎要”だったとも言われます。東洋医学において「肝」「腎」は非常に重要視されているのです。特に女性は「骨粗鬆症」の心配がありますが、これも「骨」=「腎」の衰えと考えます。
余談ですが、“體”と書いて“からだ”と読むそうです。よく言い表していると思います。体を支える「骨」。寝たきりになってしまったら、生存率も下がってしまうので、丈夫な骨でいたいですね。
高齢になったら「腎」を労ることがアンチエイジングにも繋がります。

これから食べ物について述べますが、東洋医学には「帰経」(食べ物がどの部分に関係あるか)と言われるものがあります。コラーゲンの「帰経」は、「肝」「腎」「肺」となります。これから考えても、“血”“老化”“免疫”や“燥”と関係があることが言えます。
これに関わる症状はコラーゲンと関係があることも見逃せないですね。

東洋医学の古い書に「秋の養生」として下記のように記されているので、ご紹介いたします。

「冬の3ヶ月は、万物が静かに潜伏して、閉蔵する季節である。
水は氷となり、地面は凍って避ける。人は陽気を乱してはいけない。
早く寝て、遅く起き、必ず日光を待って活動する。
志を伏すかのように、あるいは隠すかのように、まるで人に話しにくい私情があるかのように、また密かに自分に得ることがあるかのように、安静に保ちなさい。寒さを避け、温かに保ちなさい。
皮膚を開いて汗を出すようなことをして、体内の陽気をもらすようなことをしてはいけない。
これが、冬気に適応して、蔵気を養う道である。もし、これに逆らえば、腎を傷つけ、春になって痿厥の病にかかり、春の生気に適応できなくなってしまう。」

冬は、目覚めの季節「春」に向けてジッと準備をする期間なんですね。
動物を見ればわかるように自然界の法則は本当に良く出来ています。
年末年始の忘年会、新年会と続く現代人にとって少し耳が痛いですね。皆様、あまりはしゃぎ過ぎないようにほどほどにお過ごしくださいませ。
「寒」さは、何かと巡りを悪くさせます。特に血の巡りが悪くなることによって、手足の冷え、関節の痛みとなって症状が出てきます。
脳出血や心筋梗塞等の危険性もありますし、「寒」さから身を守る事を第一に考えることが大事です。この時期に冷たい飲食物はもってのほかです。
鍋ものは良いですね。煮込めばお野菜もたっぷり摂れますし、コラーゲンを入れても美味しくお召し上がりいただけます。
また、アンチエイジングには「黒」い食べ物が老化防止に良いと聞きませんか?そう、ゴマや黒豆、海藻等々です。「腎」は「黒」と関係がありますので、是非とも摂っていただきたい食材です。

冬に摂りたい食材

旬の食材
◆野菜 :大根、れんこん、みずな、小松菜、ホウレンソウ、せり、長ネギ 等
◆果物 : いよかん、はっさく、みかん、でこぽん、キンカン、いちご、干し柿 等
◆魚介類 : あんこう、金目鯛、たら、ぶり、ズワイガニ、カレイ、ハマグリ 等

※冬は寒く冷えやすいので、お鍋や煮物によく合う体を温める食材を積極的に摂りたいものですね。
薬味に生姜を使うのもオススメです。

平成23年12月6日

四季の養生 “秋の過ごし方”

五行の法則元々東洋医学では、春、夏、秋、冬とそれぞれの季節に適した過ごし方があると考えます。
今回は、秋に気をつけたいこと、体のこと等々、お知らせいたします。
過ごしやすい季節になりましたが、猛暑の夏、冷たい飲食物を摂り過ぎた方は、冷え切った胃腸に疲れが出てきますので要注意です。
また、空気も乾いてくる季節の変わり目ですので、体調を崩す方も多くなると思います。

右の図は「五行」と呼ばれ、自然の現象を長い間の経験、観察により5つに分類して物事を考えてきた図です。人体にもその理論を当てはめて考えます。
この「五行の法則」に今回のテーマ「秋(=金)」を当てはめてみていきたいと思います。イメージを繋げて楽しんでいただければ幸いです。

秋は「乾燥」の季節

上の図で「白」で囲まれた「金」を見てください。この部分に「肺」、「大腸」、「鼻」、「気管支」、等々あります。これが「金」に関連する事柄です。
さて、暑い夏が終わり爽やかな季節になりますね。過ごしやすい時期ですが、「秋」は乾「燥」の季節です。
この時期は「肺」と関係が深くなります。

中国の古い医学書に、「秋は一年中で最も肺を傷めやすい季節」と書かれています。「肺」は空気を吸い込みますので、「鼻」とも密接な関係があり呼吸器系に影響を与えます。
季節の変わり目に体調を崩す人は多いと思いますがこの時期、ケホケホと乾いた咳をする人が多くなると思います。本来は夏に汗を出して体をすっきりさせるのですが、夏の過ごし方がきちんとできていない場合、肺に熱がたまり乾燥し、咳、喘息、風邪をひきやすい等症状が出やすくなります。

スポーツの秋とも言われますが、これは熱を発散させるため体にとって大事なことだと思われます。やはり季節の行事というのはちゃんと意味があるんですね。

また、「肺は皮毛をつかさどる」と考えられているので、「肺」が吸い込む空気(寒気、燥気、湿気、暑気等)が、皮膚に影響を与えることもあります。確かに空気が乾く季節は肌の乾燥も感じやすいですね。

「皮毛」とは皮膚の表面の事で、皮膚、汗腺、うぶ毛などのことになります。
汗の調節や肌の潤い等に関連し、外部からの感染を防ぐ役目も持っているので、この役目がうまく働かなくなるとアトピーや皮膚疾患が出やすくなることも考えられます。

「燥」「大腸」にも影響を与えますので便秘がちになってしまう方もいらっしゃると思います。それだけではなく、夏の疲れを引きずっている方は胃腸に症状が出やすいのもこの時期の特徴です。

そして「秋」はどことなくもの「悲」しさを感じる季節。もの思いにふけり溜息が出て、元気もなくなり気力さえなくなることもあります。夏の明るいテンションとは逆の状況ですね。

この季節は乾燥から体を守ることが大事で、秋には潤う食べ物を摂ることも一つの方法です。
その代表は「梨」。水分が多いので喉をうるおしてくれますし咳にも良い、秋にぴったりの果物です。「柿」も秋にはおすすめですね。
是非、季節に摂れる「旬」の食材を活用してください。
また、「辛」いものをちょっと食べて発散させるのも良いですが、作用が強いのでくれぐれも取り過ぎには注意です。

東洋医学の古い書に「秋の養生」として下記のように記されているので、ご紹介いたします。

「秋の3ヶ月は万物が成熟して収穫される季節。
天の気は涼しく風邪が強く急になり、地の気は清く万物は色を変える・
人は早寝早起きをして、鶏とともに活動すべきである。
秋の粛殺の木は草木を枯れさせ陽気を収斂させるが、
そのからだへの影響を心を安らかにすることで緩和させることだ。
神気を収斂して、秋の粛殺の気を平らかにし、志を外に向けず、肺気を清浄に保たなければならない。
これが、秋気に適応して収気を保養する道である。
これに逆らえば、肺を傷つけ、冬になって下痢を病み、冬の閉蔵する気に適応できなくなってしまう。」

秋に摂りたい食材

旬の食材
◆野菜 : 茄子、里芋、さつまいも、レンコン、白菜、マツタケ、春菊、カブ 等
◆果物 : 梨、柿、栗、みかん、りんご、ぶどう、ざくろ 等
◆魚介類 : サンマ、サバ、イワシ、はまち、ハゼ、サワラ、イカ、カレイ 等

※秋は呼吸器官の乾燥に特に気をつけたいところです。
乾燥を防ぐために、旬の食材には水分を多く含む物が多いです。

平成23年10月11日

四季の養生 “夏の過ごし方”

五行の法則元々東洋医学では、春、夏、秋、冬とそれぞれの季節に適した過ごし方があると考えます。
今回は、夏の暑い時期に気をつけたいこと、体のこと等々、お知らせいたします。
現代は空調等夏を過ごすにも便利になりすぎていましたが、節電を考えると本来の季節ごとの暮らし方を見直すよい機会かもしれません。

右の図は「五行」と呼ばれ、自然の現象を長い間の経験、観察により5つに分類して物事を考えてきた図です。人体にもその理論を当てはめて考えます。
この「五行の法則」今回のテーマ「夏(=火)」を当てはめてみていきたいと思います。イメージを繋げて楽しんでいただければ幸いです。

夏は「火」の季節

上の「赤」で囲まれた「火」を見てください。この部分に「心」、「小腸」、「熱」、「苦」、「喜」等々あります。これが「火」に関連する事柄です。
暑い夏。イメージは「火」。「火」の色は「赤」くなり体は「熱」くなります。汗もかくので血流に影響します。「心」は、心臓が血液を全身に送る循環器のことを言います。また、心臓の心だけではなく精神的な「心」も表します。
「心」を病んでしまうと動悸や息切れ、恐怖感、うわごと、笑い(「喜」)が止まらない等々、精神的な乱れが出てきます。この「心」の影響は「小腸」にも通じます。

夏。暑さは上昇(暖かい空気は上に行きますよね)するように、上半身に症状が出やすくなります。例えば、頭がボーっとしたり、顔が赤くなったり、脳梗塞や心筋梗塞の危険性も高いのです。
そして、汗をよくかきます。汗をかくのは良いことですが、汗の書き過ぎはよくありません。

汗のかき過ぎ → 水分不足 → 血液がドロドロ → 血行障害 → 血液を送り出す心臓に負担

また、気温が高ければいくら汗をかいても体温が拡散されず、かえって体力を消耗してしまいますので、炎天下でのスポーツは控えめに。でも1日に1回汗をかくのは大事です。気分的にも発散するように心掛けたいですね。
逆に、汗をかかなければどうなるか?
摂った水分が体内や胃腸に溜まり、浮腫んだり身体がだる重くなりますので、これも気をつけたいですね。東洋医学の古い書物には、「夏は天地の気が交わり、万物が花開き実る」時季、「夜は少し遅く寝て、朝は早目に起きる」のが良いとなっています。

子供の頃、夏休みの朝はラジオ体操で1日が始まっていたのを思い出します。また、農家の方が朝早くから仕事をして、お昼を食べ休憩して夕方から仕事をするのは理にかなったライフスタイルです。
前に“1日1回は汗をかく、気分的にも発散させる”と書きましたが、これを怠ると、身体全体が熱く感じ冷房や冷たいものを好むようになってしまいます。結果、下痢となります。これが「小腸」との繋がりでもあります。
前回もお知らせしましたが、日本の夏は暑いだけでなく湿度も高いので大変です。

冷たいものの摂り過ぎ → 胃腸が冷える → 胃腸機能の低下 → 摂り過ぎた水分がたまり消化能力が落ちる → 下痢、吐き気、食欲不振等々

暑いからと言って、冷たい飲食物を好きなだけ摂っていると身体は弱ってしまいますし、この症状を引きずったままだと必ず「夏バテ」します。夏の養生を怠ると、バランスを崩したまま次の季節を迎えることになり、冬は更におおごとになってしまいます。ですからその季節の内に体調を整えることが大事なのです!

本来は「火」の季節なので少し冷やしてあげるのが良いのですが、冷房の効いた部屋で冷たい物の摂り過ぎは上記のように身体を傷めてしまいます。しかし、今年は節電もありますので状況に応じた過ごし方が大事になってきますね。

また、身体へのダメージは「舌」に現れ、「舌」の状態で血液の循環がどうであるか(心臓の働きに異常がないか)知ることが出来ます。
考えてみると心が病んで舌の機能が低下し味覚障害、舌炎等々出ることもありますね。
何か病がある時は舌の色でもわかると言われています。

暑い時期に摂りたい食材

旬の食材
◆野菜 : 枝豆、青唐辛子、しそ(大葉)、にがうり(ゴーヤ)、ミョウガ、茄子、ピーマン、にんにく、生姜、おくら 等
◆果物 : いちじく、桃、かぼす、パイナップル 等
◆魚介類 : あわび、クルマエビ、こんぶ 等

※夏野菜にはカリウムを多く含んだ野菜が多く、利尿作用があり水分とともに身体の余分な熱を体外に放出し、身体をクールダウンさせる効果があります、今、「クールベジ」とも言われているようで、今夏の節電対策にもなりますね。
夏は「火の季節」。空調も整わない時代の人達は、日頃の食生活で身体を冷やしていました。夏には夏の旬の食材があるのにはきちんと意味があります。
また「苦」味のある食材でも、熱を冷ます働きがありますので是非とも取り入れたいものです。

平成23年7月11日

自律神経の視点から見たにが味の効用

良薬は口ににがし。薬、食べ物にもいろいろにがいものがありますネ。
アロエ、ふきのとう、にんにく等、にが味のある食べ物ですが、にがい薬のみならず、この様なにがい食べ物に対する共通した反応は、すっぱいものと同じく副交感神経の刺激症状です。
にが味は不快な刺激なのでからだから「排泄指令」が出て、排除するための反応として、唾液や消化液の分泌が促され、胃腸のぜん動が促進されます。
もし、胃もたれや便秘が続いていて食欲がないならそれは胃腸のぜん動が抑制された交感神経緊張の状態です。この様な時、にがい薬や食べ物は、健胃剤や下剤として非常に有効に働きます。

にが味の効用は副交感神経を刺激することです。
『胃の調子が悪い時、大根おろしを食べなさい』といわれますが、これは大根のから味に消化酵素の分泌を促す効果があるためです。
ストレスがたまりがちで交感神経が緊張している人は、少量のにがいもの・からいものを食べることによって排泄が促され、自律神経の針は副交感神経側に戻ってきます。
また、お酒に弱い人は、アセトアルデヒドという毒性物質がからだに溜まりやすいことが原因だといわれていますが、このアセトアルデヒドもにがいものととると排泄されます。
しかし、注意すべきことは効果があるのはこれらをほんの少しとった時です。とりすぎの副作用は必ずあるもので、にがいものを食べ過ぎると腹痛と下痢に襲われます。

また、漢方薬は決まって嫌な臭いやにがい味がありますが、ほとんどの漢方薬は副交感神経側へシーソーを傾けますので、にがいから効くという側面があることもお忘れなく!!

酢、アルコール、にがいもの、からいものはそもそも毒だからこそからだが排泄促進を促します。
毒もまた薬であると知って少量を効果的にとると副交感神経を刺激して一時的にリンパ球を増やすことができます。このようなことを知っておくと食べ物に対する見方・接し方変わりますネ。

平成23年7月11日

自律神経からみた長生きの話

アレルギーの人は長生きできる?

交感神経優位ばかりが病気の原因のように思われるかもしれませんが、副交感神経の優位が極端になっても病気は起こります。代表的なものに花粉症やアトピーといったアレルギー性疾患があります。
副交感神経が優位のとき、身体はリラックスしたり、排泄する反応が出ます。
春先の暖かくなっている時期にくしゃみが出るのは、体が寒さを吐き出して体温をあげようとしているからです。その証拠にくしゃみをした後、人の体温は0.5度上昇します。
同様に吐き出す作用をしているのが、花粉症です。体内に入ってきた異物を吐き出すために体が反応しているのです。だから、体から異物を出そうとしてクシャミをしたり、鼻水を出すのです。これ自体は正常な反応です。
ところが、コレを薬で抑えようとするのが西洋医学です。これでは症状は治りません。せっかく出そうとしている反応を薬が止めるわけです。薬で抑え続けていると、体の中で病気が固定してしまいます。
ですから、クシャミをしたり、鼻水が出たり、痒みが生じたら、「自分は良い反応を起こしている」と思えばいいのです。
アレルギーを持つ人全般に言えるのが、穏やかな生き方を続けてきた結果、リンパ球体質になっています。
リンパ球は年齢と共に減少するため、若い頃はリンパ球が過剰だと言う人でも、最終的にアレルギーは消失するという特徴があります。つまり、アレルギー体質の人は、いずれ病気知らずの体になれるのです。
特にがんなどの組織破壊の病気になりにくい傾向があるため、最終的には長生きする人が多いのも、アレルギー体質の人の特徴です。

平成23年7月5日

自律神経の視点から不眠撃退法

最初に「自分はどちらのタイプ?」を確認

ふとんに入っても、なかなか寝つけない。そうした人が増えているようです。
不眠症の原因は主に二つあります。交感神経緊張型副交感神経緊張型です。
交感神経緊張型は、なんらかのストレスを抱えてあれこれと思い悩み、頭が冴えて眠れなくなるタイプです。高齢者には、けっこう多いです。
副交感神経緊張型は、日中、あまり運動や作業をしていないため、疲れないから眠れないタイプです。
不眠と言っても、それぞれのタイプで原因は180度違うわけです。
それをいっしょくたにして、現代医療では睡眠薬や抗不安剤で治療しています。これらの薬は、脳に働きかけて神経伝達ブロックという仕組みで入眠させます。
脳に働きかけるので、必ず「興奮状態」が残ります。そのため、副交感神経緊張型の不眠も、薬によって交感神経緊張型に移行していきます。
薬を使うと、どちらのタイプかわからなくなってしまうこと。また、これらの薬には依存症が強いことがやっかいです。
中には、10年も20年も使い続けている人もいます。すると、今度は「薬がやめられない」ことがストレスになってくるのです。一度にやめることが無理でも、徐々に減らす努力は必要です。
私は、それぞれのタイプ別に次のようなアドバイスをしています。

まず、「頭が冴えて眠れない」ときの対処法です。
まず、寝床に横になり、深呼吸します。鼻から大きく吸って、口を細めて少しずつ吐き出していきます。これを眠るまで続けます。
息は、必ず鼻から吸ってください。
不安や心配事があると、自然と浅く早い呼吸になりがちです。これを意識して深い呼吸に切り替えるのです。
深く息を吸うと、酸素が大量に取り込まれます。このとき体は驚き、入ってきた酸素を排出しようと働くので、副交感神経が刺激されるのです。すると、次第にリラックスすることができ、眠りに入れるのです。

次に、「疲れないから眠れない」時の対処法です。
一番、手軽にできて効果があるのは、階段上りです。
散歩を1時間しても疲れないのに、ビルの階段を1階から5階まで上がるだけで疲れるのは、重力に逆らう行為だからです。もちろん、散歩でも構いません。ただし、遠足で行なうことを心がけてください。神社や公園など、なるべく階段のある場所をコースに選ぶといいでしょう。
部屋で行なう運動では、仰向けになって注に足を放り投げ、回転させる「自転車こぎ運動」がお勧めです。
この運動は、足、腰だけでなく、腹筋も鍛えられます。最初は20〜30回を目標にやってみてください。慣れてきたら、徐々に回数を増やし、最終的に100回を目指してください。

新潟大学大学院教授 安保徹先生

平成23年7月5日

四季の養生 “湿気の多い時期の過ごし方”

五行の法則元々東洋医学では、春、夏、秋、冬とそれぞれの季節に適した過ごし方があると考えます。
最近はジメジメと「湿気の多い」イヤぁな時期ですので、この時期に気をつけたいこと、体のこと等々、お知らせさせていただこうと思います。

右の図は「五行」と呼ばれ、自然の現象を長い間の経験、観察により5つに分類して物事を考えてきた図です。
人体にもその理論を当てはめて考えます。
この「五行法則」に今回のテーマ「湿気」(=土)を当てはめて見ていきたいと思います。
イメージを繋げて楽しんでいただければ幸いです。

「湿気」は体にダメージを与える

前ページの「オレンジ」(注:本来は【黄】で表しますが見にくいのでオレンジで記載しています)で囲まれた「土」を見てください。この部分に「脾」、「胃」、「湿」、「甘」、「憂」等々あります。これが「土」に関連する事柄です。

東洋医学で見ると季節的には「土用」となります。夏の土用が有名ですね。しかし、季節の変わり目にはすべて「土用」があり、梅雨もその一つです。梅雨時はジメジメするのでイメージは「湿」

人の身体は60%が水分です。よって「湿気」が多くなると影響を受けやすくなります。
この時期、食べ物も腐りやすくカビが生えやすいように、人間の体もダメージを受けやすいのです。
水分が発散しにくく身体の水の循環が悪くなるので、むくみや下痢、痛みが起こりやすくなります。身体が重い、ダルイ、関節が痛い、等々症状を訴える方も多くなるのではこの時期ではないでしょうか?

また、「湿」が影響を及ぼす臓器は「脾」、「胃」
ここでの「脾」、「胃」は西洋医学で言うところの“脾臓”や“胃”限定ではありません。
「脾」、「胃」は消化器系全体(消化と吸収)と捉えていただきたいと思います。
消化器系で消化・吸収→栄養分→代謝され熱を生み体温となる(エネルギーを作る)→体温は血液に乗り全身へ運ばれるという過程を考えると、消化器系の状態が身体の機能を左右すると言っても良いでしょう。

「土」は母なる大地。また身体の中でも「脾」、「胃」は食べ物を消化吸収する母なる大地なのです。
大地も「湿」の影響を受けやすいのはおわかりになるかと思います。
大地の状態が悪いと根腐れを起こすように、身体も同じことが言えますね。
身体に表れる症状としては下痢、吐き気、食欲不振等々
これは、暑いからといって取り過ぎた冷たい飲食物も関係します。
胃腸が冷える→胃腸機能の低下→摂り過ぎた水分がたまり消化能力が落ちる→下痢、吐き気。食欲不振等々。
胃腸の機能が低下すると免疫力の低下しますし、この時期心配な食中毒もかかりやすくなる可能性があります。
よく口(唇)の端が切れる人がいますが、あれは「過食」のサインでもあるので、食生活を見直して下さいね。

また、感情的には「憂」。そう、雨の日の憂鬱さや気がのらないのは「湿」の影響かも。

そして、味覚は「甘」。疲れたときに「甘」いものが食べたくなりませんか?
少しだけなら食べても良いのです。でも!ここで「甘」いものの摂り過ぎは禁物です。
「甘」いものは血液を汚します。よって血行が悪くなり体内の糖質や脂肪成分を熱に変える働きを阻害し、身体の内側から冷やしてしまいます。胃腸が冷えれば上記のようなサイクルになり機能低下となってしまいます。

一言でまとめると、梅雨時期に起こりやすい関節痛や身体の不調は「脾」、「胃」の弱り(消化器系の弱り)と考えます。
暑いからといって冷たいものの飲みすぎ、食べ過ぎ、そして甘いものの食べ過ぎにも注意です。

この対策が実は夏バテを防ぐことにも繋がるのです!

このように、季節によって影響が出やすい部位を労わりながら、そしてまた、食事にも気をつけて過していただくと毎日を快適に過せると思います。

「湿気の多い時期」対策〜この時期に摂りたい食材〜

旬の食材や利水作用のあるもの
◆野菜 : 胡瓜、オクラ、トマト、枝豆、里芋、冬瓜、加茂茄子、インゲン豆、さやえんどう、らっきょう 等
◆果物 : スイカ、とうもろこし、マンゴー、アボカド、パイナップル 等
◆魚介類 : カンパチ、はも、蛸、鮎、ウナギ、アナゴ、キス、太刀魚 等

※夏に向け気温の上昇や雨続きで、湿度が高くなりカビの発生など、食べ物が痛みやすい時期です。生食に気を付け、再加熱で食中毒の発生を防ぎましょう。
※暑い季節が旬の食材は“冷やす”作用が強いおで、いくら身体に良くても食べ過ぎには注意しましょう。ただ、節約を考えるとクーラーを控え、食べ物で涼をとるのもよいかもしれませんね。

平成23年6月21日

ちょっとだけ嬉しい話

下痢と便秘、悪いのはどちら?

トイレ便秘と下痢を繰り返す過敏性腸症候群という症状があります。ストレスで便秘になり、それを下痢で治そうとする反射です。便秘の時はお腹が重たく、下痢の時にはお腹が痛くなります。
この場合、病院に行くと、医師は痛い方の下痢を止めるために、下痢止めの薬を出します。
しかし、本当に直すべきは便秘のほうです。下痢は、副交感神経優位の状態で、便秘は交感神経が優位の状態です。
便秘が続くということは、交感神経が緊張し続けているわけですから、こちらを解消するのが先決なのです。

平成23年4月12日

ちょっとだけ嬉しい話

平成21年5月18日入院

院長先生の講話を聴講する機会が有り参加しました。
低体温、つまり36℃以下35℃代はガンを引き起こす根源だと初めて知りました。
体温を上げる方法の一つとして生姜紅茶を飲用する様にとスタッフの方の実演を見せてもらいました。
私は生姜がこの世で一番の苦手で、生姜を手にするのはもちろん少しでも使用している料理は吐き気がしていました。しかし、朝一番の体温といえば35℃〜35.3℃…。ガンになりたくない。だから頑張りました。

生姜最初はマグカップ一杯の紅茶に小豆大一個から始め、同室の患者さんに大笑いされてしまいました。少しずつ増して行き、チューブ入りの生姜を3cm位入れても平気になり、2週間で見事克服できました。退院後も他の飲み物は一切飲まずに生姜紅茶だけで過ごしています。出かける時もペットボトルに入れて持参します。

その成果もあって、入院時の体重が68.9kg、今では64.5kg。4kgダウンしました。
体温も上がり36℃代をキープしています。 スタッフの皆さんに感謝です。本当に有難うございました。

平成21年7月27日

森山整形外科院では、下記のような治療を行っています。
一般外来治療(保険内診療)アンチエイジングルーム(抗酸化外来・自由診療)